肉球たちに愛を!ペット休暇『パウタニティ・リーブ』


飼いはじめたばかりのペットが新しい環境や家族に慣れるには、それなりの時間が必要ですよね。とくに日中、家で独りぼっちになる時間が多ければ多いほど、心配事は尽きません。そんなとき、ペットにも飼い主にも優しい素敵な制度がイギリスで広がりつつあります。最近、パウタニティ・リーブ(paw-ternity leave)なる言葉がメディアを賑わせています。パウタニティ・リーブとは、産休(マタニティ・リーブやパタニティ・リーブ)のペット版。企業などが新しくペットを迎えた人に与える有給の休暇のこと。ある調査によれば、イギリスではペットを迎えた人の5%がこのパウタニティ・リーブを取得しているそうです。さらに、このペットのための育休が無くても約20%の人たちは、休みを取ったり時間を割いて、慣れるまでケアにあたっているという報告もあります。 


パウタニティ・リーブとは新たにペットを迎えた従業員に対して、企業が賃金を保障したうえでの時短労働や休暇を認めるという制度等です。イギリスに始まり、最近では米国企業の幾つかが取り入れ始めているムーブメントだと説明されています。 

なんだそれ、バカみたい…という声が聞こえてきそうではありますが、自らでペットをお世話している方には(現実的に実施や取得をするかは別として)受け入れられそうな概念ではないでしょうか。動物たちはその年齢にかかわらず、新たな環境に慣れるための十分な時間が必要です。新たにペットを迎え入れるに際して、何週間かの予定を空けてお世話に専念することを勧める専門家は少なくありません。

もともと、このペット休暇を最初に導入したのは、ペット保険会社の「Mars Petcare」。同社はペットを新しく家族に迎えた従業員に対して、10時間の育休を認めました。この制度のおかげで従業員たちは、しつけ教室に通わせたり、獣医の予約を入れたり、新しい環境に慣れるために絆を深めるなど、時間を有効に使えたようです。

『家族として迎え入れる際、どれだけ一緒にいてあげることが大切かを会社としても理解しています。社員にはペットを飼う責任を負担に感じず、安心して彼らと過ごしてもらいたいという想いから、この制度を導入しました』

とは、同社のコメント。このペット休暇が過ぎてしまった後も、会社に同伴することもできるそうです。

ペット関連企業以外にも、パウタニティ・リーブの申請を認める企業が登場しています。マンチェスターに本拠地を置くIT企業のBitSol Solutionsでは、1週間程度のパウタニティ・リーブを従業員に認めており、すでに実績もあるとのことです。また、ニュージーランドでは同国最大手の銀行、オーストラリア・ニュージーランド銀行が、ペットのための有給休暇を認めています。同行の広報担当は「誰でもどんな理由でも、休暇の申請はできます。そしてパウタニティ・リーブも、その理由に含まれています」とのこと。ペットの面倒をみるための休暇申請が認められた例は、3件にのぼるそうです。さらには、最大3週間のペット休暇を認めた企業も他にあるそうです。


新しく迎え入れた動物に必要なのは、『時間』です。生後数か月の子犬の場合、食事やトイレの頻度は成犬に比して高いものですし、母犬や兄弟犬などと離れた寂しさもあります。保護犬については、愛情に飢えている子が少なくないうえ、ボランティアさんや他の犬と長い時間過ごしていることから、同様に寂しさに耐えきれないことがあります。もちろん、どんな動物でも、新しい環境(家具の場所や匂い)やルールに慣れるために時間がかかるもので、ここを上手にクリアできないと破壊行為などの問題行動を引き起こすことにもなり兼ねません。 

こうした制度が作られた背景には、保護施設から引き取った犬たちを施設に戻す人の存在があるのかもしれません。断念した人たちが口にする理由に「吠える」「噛みつこうとした」「分離不安がひどくて外出できない」などがありますが、犬に一匹で留守番させるのがあまりに早すぎることがその原因であると指摘する人もいます。新しい動物を迎え入れることは難しいことですが、時間をかけることでその多くは解決できます。トレーニングに連れて行ったり、一緒に遊んだり、たくさんの時間を同じ場所で過ごすことはとても大切です。そのうちに犬たちは落ち着き、新しい生活・新しい環境に適応していくでしょう。


さすがは動物愛護大国。いつか、世界基準になるのでしょうか?この育休、企業によって考え方も支給日数もまちまちですが、さすがは「動物愛護の先進国」とも言えるイギリスのユニークな制度ですよね。

マタニティやパタニティも十分でない我が国ですから、パウタニティ・リーブなど夢のまた夢なのかもしれません。ただ、ペット関連企業やベンチャーなどの若い企業なら、導入する企業が登場してもおかしくはないのかもしれません。ペットを迎えいれることが従業員の仕事の成果につながるのであれば、その時間を十分に与えるというのは、悪くな投資のようにも思えます。いつかパウタニティ・リーブがグローバルスタンダードになる事を願います^ ^

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