闘犬ビジネスの犠牲になったベイト犬

闘犬ビジネスの犠牲になってしまったベイト犬のバブルス。バブルスは大人しくとても人懐こい性格の持ち主です。しかし、バブルスは人間が顔を近づけても人間の顔を舐めようとしませんでした。それには人間の顔を舐める事が出来ない悲しい理由があったのです。

皆さんは「闘犬」という存在をご存知でしょうか?昔の海外映画等で闘犬が戦っているシーンが登場していたりするので、闘犬の存在をご存知の方も多いと思います。しかし、闘犬達が日頃の訓練を行う上で欠かせない存在「ベイト犬」という存在の犬達がいる事をご存知でしょうか?ベイト犬について知らない方も多いと思います。

ベイト犬とは、闘犬達の闘争心を奮い立たせたり、闘犬達の自信を付けさせたりする、いわば「かませ犬」と言われる犬達の事です。ベイト犬として飼われている犬達は、闘犬達の勝利という自信を付けさせる為に、闘犬達の日頃の訓練に強制的に参加させられ、闘犬達に咬まれる日々を送っています。ベイト犬として飼われている犬達は、とても大人しい性格の子達が多いです。

今回紹介する、「バブルス」もベイト犬として飼われていました。バブルスの性格はとても大人しく、人懐こい性格をしていました。人間の事が大好きでしたが、バブルスは人間の顔等を舐めようとしません。我が家の愛犬もそうですが、通常だと犬は「大好きな物」や「人間」の事を舐める習性があります。しかし、バブルスは人間が顔を近づけても、顔を舐めようとしなかったのです。一体、何故バブルスは人間の顔を舐めようとしなかったのでしょうか?それには、とても悲しい理由がありました。

アメリカ・オハイオ州の動物愛護団体「Animal Charity of Ohio」にバブルスが持ち込まれました。当時の状態は、良い言えるものではありませんでした。酷く傷付いた状態で、顔などの数か所に怪我をしていました。そして、驚いた事に、バブルスには舌がありませんでした。今迄、バブルスはどんな辛い思いをしながら生活をしてきた事でしょう。

ベイト犬は通常、とても優しい性格の犬達が人間のせいで闘犬の犠牲になる事が多いです。そんな優しい性格の持ち主なので、どんなに人間に酷い目に合わされたとしても、人間への愛情を失う事のない犬達が多いと言います。しかし、ベイト犬の中には人間に酷い目に合わされ、トラウマを抱えてしまい、心身が回復し再び人間を信頼する事ができる様になるまで、長い時間を掛けなくてはならない犬達もいます。

ベイト犬の多くは動物保護施設等から入手したり、酷いものでは犬を盗んできてベイト犬にする事もあるそうです。ベイト犬には弱い個体が選ばれます。とても優しく大人しい性格の犬達が、闘犬ビジネスの犠牲者になってしまうのです。

闘犬は、アメリカでは動物虐待に当たる為、全米50州の法律で禁止されています。しかし、手軽にギャンブルが行えるから等の理由により、闘犬ビジネスは、なかなか無くならないと言います。強い闘犬の子種や子犬を販売する事も多額のお金が動くそうです。闘犬ビジネスで得た収益は、ギャングやマフィアの資金源となります。摘発されない理由に、闘犬が自宅の地価や倉庫などで行われている事が多く、中々違法に気付く事が出来ないからだと言います。闘犬等のビジネスが目的で飼育されている犬達は、私達の愛犬の様に飼い主からの愛情を受けて飼育される事がありません。闘犬の試合で負けてしまった犬や、負傷が酷く今後闘犬として活躍する見込みがない犬は、撲殺や銃殺されてしまったりと恐ろしい事に目を背けたくなるような非人道的な悲惨で辛い最後を迎えるのです。

そして、バブルスも悲惨な闘犬ビジネスの犠牲者となってしまいました。しかし、バブルスには今回動物保護施設に保護された事で希望の光が差し込みました。きっと、優しいスタッフさん達の元で心身ともに元気を取り戻し、そして幸せな第二の犬生を迎える事でしょう。

闘犬ビジネスは、決して海外だけのお話ではありません。日本でも土佐犬等が現在でも闘犬として戦い、闘犬ビジネスの被害者となってしまっています。これは、日本の伝統的な文化と扱われていますが、本当に伝統を守る為に犬達が犠牲になってしまっていいのでしょうか?犬達の気持ちを考えるとこのような文化が、本当に必要なものなのか?と考えてしまいます。

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