ドイツで動物の生体販売が行われなくなった理由。

ドイツで動物を飼いたい方は、ペットショップには行きません。なぜならドイツの殆どのペットショップでは、動物を陳列販売することが禁止されているからです。動物を飼いたいひとは、ブリーダーに直接頼むか、ティアハイムに譲渡してもらうかを選びます。これで衝動的に動物を飼ってしまう人が減り、可哀想な動物も生まれにくいという訳ですね。

ドイツでは、生体販売を禁止する法律はなく、生体販売が禁止されているわけでもありません。しかしながら、犬や猫などを販売するための条件が非常に厳しく、それらの条件を満たせないの多くのペットショップでは生体販売をしていません。そして、実はその条件というのが、政府主導の下で決められたわけではないというところが大きなポイントです。ドイツの多くのペットショップは、Zentralverband Zoologischer Fachbetriebe Deutschlands e.V. (ZZF)とよばれる、ペットやペット関連商品を取り扱う連盟に属しており、1991年には連盟を通じてペットショップにおける生体販売の条件を取り決めたという経緯があります。その背景には、やはりペットショップでの生体販売の環境の劣悪さがあったからです。とはいえ、一大マーケットであるペット産業に自ら条件を課すあたり、やはり動物に関する深い愛情を感じます。しかし、ドイツでさえまれに生体販売を行っているところがあります。生体販売禁止が法律で決まっているわけではなく、先のZZFに加盟していないペットショップが生体販売をしていたという事実があるのです。また、東欧諸国がEUに参加してからは東欧諸国の劣悪な環境で育った子犬たちがドイツへ連れてきて売られるという事態も発生しました。しかしこのような状況はあくまで稀で、動物愛護団体それから市民たちの抗議デモと発展しています。「法律で決められているからやってはいけない」というよりも、モラルの問題だと考える人が多いのです。

犬や猫の生態販売がほとんど行われていないドイツでは、ペット業界は斜陽産業なのかというとそうでもないようです。先のZZFが出した統計によると、ドイツで犬を飼う人の割合は高いままであり、ドイツの家庭のなんと43パーセントが犬に限らず何かしらのペットを飼っており、そのうちの19パーセントが少なくとも2匹以上のペットを飼っているそうです。また子供がいる家庭のうち58パーセントがペットと暮らしている統計が出ています。ペットフードの売れ行きもよく、ドイツでは生体販売が禁止になったからといって、犬を飼う人が少なくなっているわけではないということがよくわかりますね。

まだまだ日本では、犬や猫の生態販売が普通に行われています。生まれたばかりの子犬たちですから、かわいくて仕方がないのはよくわかります。ですが、そのショーケースに並ぶ可愛らしい子犬たちは、モノではなく生き物です。人間がショーケースに入れられて売られていたら感じるはずの違和感を、犬や猫の場合に感じられない人が多いのかもしれません。そういった、ある意味で消費者が無知で鈍感だからこそ、生体販売というビジネスが成り立ってるのではないでしょうか?消費者である私たちが生体販売のおかしな点に気づき、声をあげ、そして行動する。例えば、ペットショップで犬猫を買わなくても、施設から保護犬や保護猫を引き取るという選択もあります。日本での生体販売をなくすためには、消費者一人ひとりの意識改革が必要不可欠なのではないでしょうか。

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