犬や猫の殺処分の現場〜譲渡増やす努力続く〜

飼い主がいない、野良犬や野良猫たち。自治体に保護されたとしても、新しい飼い主が見つからなければ、やむなく命を奪われます。その「殺処分」をゼロにすることを目標とする自治体も多く出てきましたが、まだまだ課題も山積みです。

センターに来た犬猫はまず、病気やしつけの状態、大きさなどを検査され、元の飼い主に返す「返還」や、新しい飼い主に渡す「譲渡」ができるか判断されます。いずれもできないと判断されると、殺処分を待つことになります。

埼玉県熊谷市にある「動物指導センター」によると、殺処分数は毎年減っているといいます。ピークだった1985年度に比べ、2016年度は犬が約0・7%に、猫はピークの86年度の1割以下になりました。動物愛護の観点から、殺処分ゼロを目指す自治体も出てきました。方法は主に二つ。新しい飼い主への「譲渡」を増やすか、施設への「収容」を減らすかです。

神奈川県は譲渡を増やし14年度までに犬猫殺処分ゼロを達成しました。同県動物保護センターによると、犬猫を引き取るボランティアの数が増えたことが大きな理由だそうです。昨年度同センターが譲渡した犬169頭のうち155頭が、猫571匹のうち560匹がボランティアに引き取られました。ボランティア間の連係を深め、負担集中を防ぐといいます。

埼玉県は収容数を減らす方法をとっています。猫や飼い主から持ち込まれた犬は、健康であれば基本的に引き取らない方針です。ただ、収容数を減らすことには問題点もある。13年の改正動物愛護法で、自治体は業者などからの犬猫の引き取りを拒否できるようになりました。そうすることで、断られた飼い主の中には、(ペットを大量に引き取り劣悪な環境に置く)『引き取り屋』に連絡する人もいるそうです。引き取り屋の需要が高まってしまった、と指摘する声も上がっています。県もそうした指摘は把握しています。県動物指導センターは、「引き取りをやめれば一時的に殺処分はゼロになる。だが繁殖能力のある犬猫を野放しにすることで、長い目で見れば殺処分は増えてしまうのではないか」と考えます。そこで県が特に力を入れるのが、人に慣れておらず、引き取り先が見つかりづらい子猫を減らそうというもの。野良猫が子猫を産まないよう、不妊・去勢手術の普及に努めています。野良猫を「捕まえ(Trap)」「不妊・去勢し(Neuter)」「元の場所に戻す(Return)」という「TNR活動」を進めています。23年度には殺処分数を犬猫合わせて500頭未満に減らすのが目標です。

こういった自治体が一つでも多く増え、殺処分に対しての真摯な取り組みがなされる事を、切に祈るばかりです。

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