犬のレンタル〜保護されたわんちゃんとのふれあい〜

皆さんはペットのレンタルサービスがあるのをご存知ですか?もちろん動物愛護の観点からは、賛否両論色々ありますが、今回は“保護犬のレンタル”について考えたいと思います。飼い主に捨てられたり、元々飼い犬でなかったり、多頭飼い崩壊などによって、保護団体や個人の方によって「一時的に保護されている犬」たち。動物病院の掲示板や、インターネット上でも、毎日のように数多くの里親募集の案件が掲示されています。それでも、心ある飼い主さんに出会えるわんちゃんは、その中のほんの一握りにすぎず、家族を得られない子たちが沢山いますね。

保護された犬達は行政による殺処分からは免れますが、里親の元に引き取られなければ、一生、温かい家庭の中で暮らすことは出来ません。そうした身寄りのないワンちゃんの存在を一人でも多くの人に知ってもらい、新しい飼い主になってくれる人との出会いを探すために、各地域で定期的に、保護団体による譲渡会が催されています。そして、そうした取り組みのひとつとして、保護犬を一般の方に貸し出したりもしているようです。「犬のレンタル」と言ってしまえば、なんだか殺伐とした印象を受ける方もいらっしゃるでしょうが、保護犬のレンタルは、単なる営利目的の犬の貸し出しとは違った意味を持つものとして捉えるべきなのかも知れません。もちろん、取り扱う業者によっては、他の「レンタル専用犬」と同様に、一時貸し出しというお仕事もこなす一方で、その中で良い出会いがあれば、新しい家族の元へと引き取られていくチャンスにもなりもすし、何より、保護犬を積極的に貸し出すことで、レンタル専用犬として生み出される犬を、一頭でも減らせることに繋がってゆくのではないかと考えます。

保護犬をレンタルするメリットとして、

①保護犬に色々な人間との触れ合いの機会を与えてあげる事により、一般家庭に引き取られた後の適応能力を、事前に育てることが出来る

②里親になりたい人は、引き取りたい犬と一定期間を共に過ごす事により、多少なりとも、その犬との相性を見極めることが出来る

③レンタル犬として貸し出される犬の多くが保護犬になれば、レンタル犬として生み出される犬を減らすことが出来、保護犬にも新しい家族と出会えるチャンスが広がる

などです。

ちなみに、保護犬をレンタルする際の注意点としては、貸し出し側より定められている筈ですので、まずはそれに従う事が大前提ですが、保護犬という性質上、犬を飼っている者の視点から、注意するべきと思う事をいくつか挙げてみたいと思います。

①過去の嫌な経験を思い出させるような扱いを避ける

これは、その保護犬が保護される前、どの様な環境に置かれていたかにもよりますが、社会復帰のために訓練され、今は人懐っこい良い子であっても、過去に何か嫌な経験をして、その事がトラウマになっていれば、ちょっとした事でその時の恐怖を思い出してしまう恐れもあります。ワンちゃんによっては、怯えて噛みついたり、逃げ出してしまったり、また、心を閉ざしてしまったりといった事にも繋がってしまうかもしれません。

②持病のための療養食など、食事の指示は必ず守る

もしも、1泊~数日レンタルで、保護犬にエサを与える必要がある場合、貸し主側の指定するエサや給餌量などには必ず従いましょう。持病を持っているワンちゃんの食事には特に注意しなければ、症状を悪化させることもありますので、指定のエサが用意されている場合、勝手に他の食べ物をあげないようにしましょう。

③行方不明にさせない

これは、保護犬に限った事ではありませんが、初めて連れて来られた場所で迷子になってしまえば、ワンちゃんだって何処を目指して歩けば良いかわかりません。万が一首輪や鑑札の無い状態で迷子になってしまったら、せっかく保護されて繋いだ命も、行政による保護(=殺処分の対象)となってしまいかねません。また、交通事故にあって命を落とすかもしれません。

以上が大まかな注意事項です。保護犬がみんな問題を抱えているとは思いませんが、過去の飼育環境などの影響により、心や健康面に問題を抱えた犬も、中にはいる事でしょう。そうした子の多くが、何らかの苦手な物、苦手な音、苦手な人など、敏感に反応してしまう苦手な何かを持っています。もしも、その保護犬を、最後まで面倒を見るおつもりであれば、苦手意識を克服させてあげるお手伝いをすればよいと思いますが、数時間~数日間レンタルするだけの間柄では、それは難しいでしょう。出来れば、苦手な物から遠ざけて、レンタル中の時間を穏やかに楽しく過ごさせてあげられるように配慮してあげると良いのではないでしょうか?

犬を飼っている方たちの見解としては、犬のレンタルという商売について、少なからず嫌悪感があるのも事実でしょう。ですが、保護犬のレンタルについては、少し違った側面で見ることもできるかと思います。新たな家族を求める保護犬と、「新しく犬を迎えるなら保護犬から」とお考えの、真の愛犬家とを結びつける、ベターな方法なのかもしれない、とも考えられる訳です。「保護犬を譲り受けたが、先住犬と折り合いが悪く、やむなく返却した」「いつまでたっても、家族に馴染んでくれず、世話が行き届かないので、返却した」実際に、こういった事例も多くある中で、引き取る前にトライアルできるのであれば、犬も人も、無駄に失望することも少なくなるのではないでしょうか?実際に、保護団体によっては、トライアル後の正式な引き渡しを条件にされているところも多くあるようです。犬のレンタルについて議論すればキリがなく、皆さんの中にも様々な意見がおありの事と思いますが、レンタルというサービスを通じて、お家の無い保護犬に、安心できるお家と温かい家族を見つけてあげられるのであれば、こういった方法もアリなのかな?とも思います。

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